この記事の目次
先に結論です。冬ゴルフのインナーは、「暖かさ」と「汗の始末」の両方で選びます。朝のスタートは寒くても、歩いたりスイングしたりすると汗をかき、その汗が冷えると体が一気に冷えます(汗冷え)。肌に近い1枚目は汗を逃がすもの、2枚目で空気をためる、外側で風を止める。この3層を、スイングのじゃまにならない薄さで重ねるのがコツです。
「吸湿発熱」インナーのしくみと弱点
冬のインナーでよく見る「吸湿発熱」は、繊維が体から出る水分(汗や、汗になる前の水蒸気)を吸うときに熱を出す性質です。水が蒸発するときに熱をうばう「気化熱」の逆の現象です。
- 吸える量には限りがある:繊維が水分を吸いきると、発熱は止まる
- 汗をたくさんかくと逆効果のことも:吸った水分が多すぎると、ぬれた肌着になって冷えのもとになる
- 熱をためるのは「空気の層」:生まれた熱を逃がさないのは、服と服の間の空気。研究でも、空気の層が多い生地ほど熱を保ちやすいと報告されている(大妻女子大学・カケンテストセンターほか、デサントスポーツ科学 Vol.45)
同じ研究(3人で行った予備的な実験)では、綿のインナーは、安静時も運動時も服の中の温度がいちばん低くなりました。汗をかく場面では、綿の肌着は冷えやすいと考えておきましょう。
冬ゴルフの重ね着は3層で
| 層 | 役わり | 選び方の例 |
|---|---|---|
| 1枚目(肌着) | 汗を吸って、肌から離す | 吸湿発熱、または吸汗速乾の薄手。汗かきの人は速乾を優先 |
| 2枚目(なか) | 空気をためて暖かさを保つ | 薄手のフリース、ウールのセーター、中わたのベスト |
| 3枚目(外) | 風と冷たい雨を止める | 防風のジャケットやベスト。脱ぎ着しやすい前開き |
ゴルフは肩と腕をよく動かすスポーツです。厚い1枚より、薄いものを重ねたほうがスイングしやすく、暑くなったら1枚ずつ脱いで調整できます。腕の動きが気になる人は、2枚目をベストにするのも手です。
シニアが冷えやすい場面と対策
朝のスタート前
冬の朝は、クラブハウスの暖かい室内から、いきなり冷たい外に出ることになります。急な温度差は体に負担がかかります。練習グリーンに行く前に1枚多く着ておき、体が温まってから脱ぎましょう。寒さとヒートショックについては、シニアの冬ゴルフ|寒さで上がる血圧・ヒートショックへの備えにまとめています。
前半が終わったあと
前半9ホールで汗をかいたまま昼食をとり、また外に出ると、ぬれた肌着が冷えて寒く感じます。替えの肌着を1枚持っていき、昼に着替えるのがいちばん効きます。
カートに乗っているとき
歩いた後にカートで風を受けると、汗が冷えやすくなります。カートでは前を閉める、ネックウォーマーを使うなど、首・手首・足首の「三つの首」を冷やさない工夫をしましょう。
インナー以外の小物
- ネックウォーマー:首を温めると体感がかなり変わる。スイングのときにずれにくい薄手を
- 両手用の手袋:冬用の両手グローブや、打つとき以外にはめる防寒ミトン
- カイロ:ポケットに入れて手を温める。肌に直接貼らない、低温やけどに注意
- 耳まで覆える帽子:ニット帽やイヤーウォーマー
- 温かい飲み物:寒くても水分は必要。冬もこまめに
こんな日は無理をしない
気温が低く、風が強い日、霜でスタートが遅れる日などは、体への負担が大きくなります。体調がすぐれない日や、持病のある人は、無理にプレーしない判断も大切です。気になる症状がある場合は、かかりつけ医に相談してください。
まとめ
- 冬のインナーは「暖かさ」と「汗の始末」で選ぶ
- 吸湿発熱は、水分を吸うときに熱を出すしくみ。吸いきると止まり、汗が多いと冷えのもとにも
- 肌着(汗を逃がす)・なか(空気をためる)・外(風を止める)の3層を薄く重ねる
- 前半が終わったら肌着を替える。首・手首・足首を冷やさない
- 夏の暑さ対策のインナーについては夏ゴルフのインナーの選び方へ