暑さ対策

ゴルフ場の熱中症対策は「義務」に|キャディ・コース管理で働くシニアと、ゴルフ場の取り組み例

ゴルフ場の木陰のテントで水分補給をするキャディとコース管理スタッフ(AI生成イメージ)
この記事の目次
  1. 何が義務になったのか
  2. ゴルフ場の受け止めは、まだ鈍い
  3. 各地のゴルフ場の取り組み例
  4. 働く人のウェアの選び方
    1. ファン付きウェア:風が通るが、重さと音に注意
    2. 遮熱・UVのインナー:電源がいらない
    3. 帽子と首まわり
  5. ゴルフ場で働く60代・70代が気をつけたいこと
  6. まとめ
    1. 今日のラウンド判定

先に結論です。2025年6月1日から、職場の熱中症対策が法律(労働安全衛生規則)で義務になりました。暑い中で長く働くキャディやコース管理のスタッフは、夏のあいだ、ほぼ毎日この対象になります。ゴルフ場には「連絡の体制」「悪くなったときの手順」「全員への周知」の3つが求められます。この記事では、ゴルフ場で働く60代・70代の方と、ゴルフ場の運営に関わる方に向けて、義務の中身と、各地のゴルフ場の取り組みをまとめました。

何が義務になったのか

対象は、WBGT(暑さ指数)28以上、または気温31℃以上の場所で、連続1時間以上か、1日4時間をこえて行う見込みの作業です。真夏のラウンドの付き添いや芝刈りは、まさにこれにあたります。

義務中身(厚生労働省の資料より)
① 報告の体制体調が悪い人や、具合の悪そうな人を見つけた人が、すぐ連絡できる担当者と連絡先を決めて、掲示する。一人で作業する人には、定時に連絡して様子を確かめる
② 悪くなったときの手順涼しい場所へ移す、体を冷やす、水分・塩分をとらせる、意識がなければ119番。回復するまで一人にしない。近くの病院と緊急連絡網を用意しておく
③ 周知①と②を、働く人全員と関係者に知らせる。対応の流れを図にして掲示する
厚生労働省 静岡労働局・大阪労働局の資料より。義務は罰則つきです

WBGTは、気温だけでなく湿度や日差しの強さも入れた「暑さの指数」です。GOLF100の各ゴルフ場のページでは、近くの観測地点の「今日・明日の暑さ判定」を見られます。

ゴルフ場の受け止めは、まだ鈍い

ゴルフ業界誌「月刊GEW」の取材では、改正の前後で次のような声が伝えられています。

  • WBGT計を持っているゴルフ場は8%だった(2022年、225コースの調査。月刊GEW 2024年5月号)
  • WBGT計がないゴルフ場が「意外と多い」。改正そのものを知らないゴルフ場も多い(月刊GEW 2025年5月号)
  • 日本ゴルフ場経営者協会(NGK)の専務は「まずWBGT計。そのうえでファン付きベスト、経口補水液、休憩の回数」と話す(同号)
  • NGKの専務によると、猛暑の夏は「どのゴルフ場も救急車を1、2回は呼んだ」(同号)

各地のゴルフ場の取り組み例

ゴルフ場取り組み出典
クラシック(6コース)全コースにWBGT計。キャディ・コース管理への知らせ方を4月中に周知月刊GEW 2025年5月号
熊谷GCキャディ全員にファン付きウェアと飲み物を支給月刊GEW 2023年9月号
ザ・クラシックGC予備のキャディを常駐。コース管理は冷水シャワーと2人1組(バディ制)月刊GEW 2024年5月号
鹿沼グループコース作業員に質の良いファン付きベスト、製氷機、夏の手当月刊GEW 2025年5月号
スターツ笠間GCキャディにファン付きベスト・半袖ポロ・アームカバー。コース管理はネッククーラー月刊GEW
つつじヶ丘CCファン付きベストと首にかけるエアコン。2026年はマスター室・コース管理にも月刊GEW 2026年5月号
各ゴルフ場の取り組みは取材時点のものです

働く人のウェアの選び方

ファン付きウェア:風が通るが、重さと音に注意

服の中に風を送るので、汗が乾きやすくなります。いっぽうで「重い・うるさい・見た目が気になる」という理由で、着るかどうかを任意にしているゴルフ場もあります(月刊GEW 2024年5月号)。「安いものはバッテリーが重く、長くもたない」という声もあり(鹿沼グループの社長、2025年5月号)、1日中使うならバッテリーの持ち時間を確かめておきましょう。キャディ向けの例では、ウェアが9,130円、ファンとバッテリーが1万1,550円で、1人2万円あまりでした(同号)。

遮熱・UVのインナー:電源がいらない

日差しの熱(近赤外線)や紫外線をさえぎる素材のインナーは、電池もファンもいらず、ファン付きウェアの下にも着られます。長袖タイプなら、腕の日焼けも防げます。選ぶときは、近赤外線や紫外線を何%カットするかの表示と、試験の出どころを確認しましょう。

帽子と首まわり

頭と首は日差しを受けやすい場所です。つばの広い帽子や、首の後ろを覆う帽子は、キャディやコース管理の作業でも役立ちます。

ゴルフ場で働く60代・70代が気をつけたいこと

  • 年齢を重ねると、のどの渇きや暑さを感じにくくなります。のどが渇く前に水分と塩分をとりましょう
  • 寝不足、朝食抜き、二日酔い、かぜ気味の日は、出勤前に担当者へ伝えましょう
  • めまい、立ちくらみ、大量の汗、頭痛、生あくびは危険のサイン。がまんせず、すぐに連絡を
  • お客様の様子にも気を配りましょう。70歳以上のゴルファーは、猛暑の8月に大きく減ります(8月の暑さとシニアゴルファーの記事)
  • 症状の段階や応急処置は、ゴルフ場での熱中症|応急処置と救急車を呼ぶ判断にまとめています

具合が悪いときの判断は、自分だけでしないことが大切です。意識がおかしい、受け答えができない、水を自分で飲めないときは、迷わず119番に通報してください。

まとめ

  • 2025年6月から、職場の熱中症対策は罰則つきの義務になった
  • WBGT28以上か気温31℃以上で、連続1時間以上か1日4時間超の作業が対象。キャディ・コース管理はほぼ該当
  • ゴルフ場に求められるのは「連絡の体制」「悪くなったときの手順」「周知」の3つ
  • WBGT計を置き、ファン付きウェアや遮熱インナー、帽子、飲み物の用意を組み合わせる
  • 働く人は、体調を正直に伝えること。がまんしないこと

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参考文献・出典

  1. 厚生労働省 静岡労働局 熱中症対策の義務化の案内
  2. 厚生労働省 大阪労働局 熱中症対策の資料(PDF)
  3. 月刊GEW 2025年5月号 ゴルフ場の熱中症対策の記事(p20-24、p104-105)
  4. 月刊GEW 2024年5月号 ゴルフ場の暑熱対策(p41-45)
  5. 月刊GEW 2023年9月号 ゴルフ場の熱中症(p48-53)
  6. 月刊GEW 2026年5月号 ゴルフ場の暑さ対策(p26-27)

※本製品は衣料品であり、熱中症の予防・治療を目的としたものではありません。