先に結論です。シニアティーを何歳から使えるかは、ゴルフ場ごとに違います。「70歳以上」と年齢で決めているゴルフ場がある一方、PGMやアコーディア・ゴルフのように、年齢や性別ではなく飛距離や技量で自由に選んでほしいと案内するゴルフ場が増えています。この記事では、ティーの呼び方の変化、ドライバーの飛距離から選ぶ目安、前のティーで回ったときのスコアやハンディキャップの扱い、同伴者とティーが違うときの進め方を整理します。
「シニアティー」の呼び方と条件が変わってきている
昔からある決め方は、年齢でティーを分けるやり方です。たとえば豊田カントリー倶楽部は、よくある質問で「金マーク[ゴールドティ](70歳以上)・緑マーク[ダイヤモンドティ](80歳以上の男性・65歳以上の女性)がご使用頂けます」と案内しています。
一方、年齢で分けない方向に変えるゴルフ場が増えています。
- PGM(全国のPGMゴルフ場):2024年4月からティーの呼び方を色の名前に変更。フロントティーは「ゴールドティー」になりました。理由は「性別や年齢を連想させる呼称ではティーの選択に自由度が低く時代に即さないと判断」したため。バックティーを除いて、使うティーを自由に選ぶことを勧めています。
- アコーディア・ゴルフ:各ゴルフ場でレッドティを前へ移し、総距離を「4,300ヤード前後(目安)」にしています。ティーは「“プレーファスト”が守られる範囲内で、個々の飛距離や技量に合わせて選ぶ」ものと案内しています。
- 葉山国際カンツリー倶楽部:2025年12月1日から「使用ティーを年齢・性別で区分けするのではなく、プレーヤーが個々の技量に合わせて選択してください」としました。
- 高室池ゴルフ倶楽部(兵庫県):ホワイト・グリーン・イエローの3つのティーは「ご自由にご利用ください」。後ろのティーは申請や申告が必要です。
「シニア」という言葉の年齢も場面によって違います。日本ゴルフ協会(JGA)の日本シニアゴルフ選手権は55歳以上、PGMのゴルフ場のシニア料金は60歳以上の例があります。予約サイトや受付で「前のティーを使えますか」と聞くのが確実です。
ドライバーの飛距離から選ぶ目安
年齢よりも役に立つのが飛距離です。2011年に全米プロゴルフ協会(PGA of America)と全米ゴルフ協会(USGA)が始めた「TEE IT FORWARD(ティー・イット・フォワード)」という取り組みでは、ドライバーの飛距離に合わせて、18ホールの総距離の目安を次のように示しています。
| ドライバーの平均飛距離 | 18ホールの総距離の目安 |
|---|---|
| 250ヤード | 6,200〜6,400ヤード |
| 225ヤード | 5,800〜6,000ヤード |
| 200ヤード | 5,200〜5,400ヤード |
| 175ヤード | 4,400〜4,600ヤード |
| 150ヤード | 3,500〜3,700ヤード |
ドライバーが200ヤード前後なら、5,200〜5,400ヤードのティーがちょうどよいという考え方です。スコアカードには各ティーの総ヤードが書いてあるので、自分の飛距離と照らし合わせて選べます。週刊ゴルフダイジェストが2025年10月にアマチュア男性140人のドライバー飛距離を測った企画では、平均は204.8ヤードでした(目測による計測)。この目安で考えると、ドライバーが200ヤード前後の方は、白ティー(レギュラーティー)の総距離が6,000ヤードを超えるコースなら、ひとつ前のティーのほうが合っていることになります。
「2打目でいつもウッドやユーティリティを使う」「パー4で2打でグリーンに届かないことが多い」と感じたら、ひとつ前のティーを試すサインです。飛距離が落ちてきた理由と対策は60代の飛距離の記事、クラブの見直しは60代からのクラブ診断もご覧ください。
前のティーで回ってもスコアは正式?
友人とのプライベートなラウンドなら、同伴者と相談してどのティーを使っても問題ありません。ゴルフ規則でも、どのティーを使うかは競技を運営する「委員会」が決めるもので、R&A(ゴルフ規則を定める団体)の委員会の措置には、全員が使うティーを決める方法、ハンディキャップ・性別・年齢で分ける方法、各プレーヤーに選ばせる方法が挙げられています。
注意したいのは競技に出るときです。決められたティーと違う場所から打つと、ストロークプレーでは2打の罰になり、打ち直さないまま次のホールに進むと失格になります(規則6.1b)。月例会やコンペでは、事前にどのティーを使うか確認しておきましょう。
JGAのハンディキャップ(ワールド・ハンディキャップ・システム)を持っている方は、ティーごとに難しさの数値(コースレーティング・スロープレーティング)が決まっているので、前のティーで回ったスコアもそのティーの数値で計算されます。JGAは、コースハンディキャップを「ハンディキャップインデックスにプレーするティーのスロープレーティングを掛け、これを113で割った後、コースレーティングからパーを引いた数値を足して」出すと説明しています。前のティーだからといってスコアが無効になるわけではありません。
同伴者とティーが違うときの進め方
前のティーを使うと、同伴者より先に、または後に、別の場所から打つことになります。進行をスムーズにするコツは次のとおりです。
- 打つ順番は「準備ができた人から」でよい。R&Aのプレーのペースの手引きも、飛ばす人が待つ場合は飛距離の短い人が先に打つことを挙げています
- 前のティーの人は、後ろのティーの人が打ち終わるまで、打球の方向に出ないで待つ
- カートを使うときは、前のティーの前で一度止まってもらうよう最初に決めておく
- 「今日はゴールドから回ります」とスタート前に一言伝えておくと、同伴者も気をつかわずに済む
USGAはよくある質問の中で、年齢・性別・飛距離といった理由で特定のティーを勧めることはしないとしています。つまり、「何歳だからこのティー」という決まりはなく、楽しく、同伴者と同じくらいのペースで回れるティーを選ぶのがいちばんです。
まとめ
- シニアティーの年齢条件はゴルフ場ごとに違う。「70歳以上」の例もあれば、年齢で分けず自由に選べるゴルフ場も増えている
- PGMは2024年4月から色の呼び方に変更し、アコーディアはレッドティを4,300ヤード前後に前進させている
- 目安はドライバーの飛距離。200ヤード前後なら総距離5,200〜5,400ヤードのティー(TEE IT FORWARD)
- プライベートなら自由に選んでよいが、競技では決められたティー以外から打つと2打罰
- 同伴者とは「準備ができた人から打つ」「前に出ない」を最初に確認しておく
※ティーの呼び方・使用条件はゴルフ場によって異なります。この記事は2026年9月時点の公開情報をもとにしています。ご利用のゴルフ場でご確認ください。
参考文献・出典
- 豊田カントリー倶楽部「よくある質問」
- PGM「ティーマーク呼称変更のご案内」(2024年2月)
- アコーディア・ゴルフ SHIBAFU(2024年11月16日)
- 葉山国際カンツリー倶楽部「ティーマークの色・呼称について」
- 高室池ゴルフ倶楽部「よくある質問」
- JGA 日本シニアゴルフ選手権
- PGA of America「TEE IT FORWARD Guidelines」
- USGA「Tee It Forward to Increase Enjoyment of the Game」(2011年)
- 週刊ゴルフダイジェスト(2025年)アマチュアのドライバー飛距離実測
- R&A Rules of Golf 規則6(ホールのプレー)
- R&A 委員会の措置 セクション5A
- JGA「ハンディキャップの使い方」
- R&A プレーのペース マニュアル
- USGA World Handicap System FAQ
